二つあった六月末〆切のどちらか曖昧に目標にしたまま(両方応募にいたるのは経験的にみて無理だから)書くつもりだったのだが、そのうちひとつの〆切の延期が発表され、残るひとつは中編の募集といっていいので、まだ中編がまともに書けた経験のない私はこ…

冒頭の一行というのはそこではじめて言葉を習得した存在が語りだすものであり、いわば言葉のない世界についての言葉の側からの最初で最後のコメントなのではないか。だから、そこには本当はわけのわからないことを書き付けるしかない。 多くの小説は冒頭の一…

冒頭の一行が自分で自分を支える、つまりそれ以後は推移していく時間のそこだけは起源のように何もないところに立っている、そのためには、何らかの謎がその一行の中にあり、謎がそれまで存在していない過去のかわりにというか、冒頭にあるまじき不自由さを…

先月末に冒頭だけ書いたもののうちひとつを時々いじっている。冒頭というか最初の一行(一文)だけは残してあとは足したり消したりしているのだが、これが数行にわたるかたまりでいかにも冒頭然としたかまえをとられるとそれはもう内部のようなものを持って…

テレビは見ないのだが、さっきネットで津波の動画をうっかり見てしまいだいぶ打撃を受けた。あんな映像がテレビではばんばん流れてるのだとしたらテレビ見てる人はタフすぎるかやられすぎてるかどっちかであろう。 蓮實重彦『随想』を読んでいる。蓮實氏の文…

瓜二つ、と書いて思い出したというわけでもないが、以前から「分身」のモチーフで何か書きたいという気持ちがありつつ超短篇や短歌以外ではたぶん扱ったことがない。それはやはり何となく取り扱いが難しそうな予感がするから手を出してないのだと思う。 ディ…

菊地氏の日記はここね。 http://www.kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php

なので呉智英先生に瓜二つの声の持ち主である菊地成孔氏の日記を読んでいる。

いやな夢を見ながら起きた。某氏(有名人・面識なし)にむかって必死に×××は×××だというようなことを訴えるという夢。いろんなことがはやく過ぎ去ってほしいと(夢のようにぼんやりとしてしかし強い願いとして)願わずにおれないし、すごくひさしぶり呉智英…

というわけでそろそろ次の小説にとりかかりたいと思う。先月末にいくつか冒頭だけ書いてみたものがあり、それらをいじりながら冒頭案を書き溜めつつ、原則今年に入ってからの書き方をくずさずにいきたい。つまり夢=外傷系の短篇という線をあくまで守ること…

腐葉土の底

昨日発行された『Witchenkare vol.2』というインディーズ文芸誌に書き下ろし小説が掲載されています。「腐葉土の底」という16枚くらいの短編。去年の後半くらいから考えてきた小説についてのいろいろなことの一部が、少なくとも具体的なひとつの形にはできた…

夢の中では、言葉が自分の外にある、ということを経験している。 ふだんは言葉というものは自分の内側にあるような気がしているが、夢を見ている私にとっては、環境、他人、出来事がすべて言葉でできている。つまり言葉が私の外側にある。 小説を書いていて…

夢は言葉という「他者」と自分の間で経験するものだということを、登場人物としての「他者」と視点人物との関係に置き換える、というようなこと。

今回のは(いつものことだとも言えるが)はじめに書こうと思っていたもの、はじめはそう書いているつもりだったものと実際書き上がったものが相当違ったと思う。それは言い換えると、書こうとするものや書きつつあるものに先にイメージを持っていたというこ…

本局まで出しにいくつもりだから一応24時まで猶予があるわけだが、まあ夕飯の時間くらいには完全に手放す予定で推敲を続行。推敲といってもきれいに整えるんではなくむしろ逆に、なんかごろっとそのへんにころがっているようなものに近づけたい。それはたぶ…

全部消えたというのは勘違いだった。でも再考。

そしてタイトル候補の単語とかかわりある部分がすべて消えてしまったのでタイトル再考。

尺を稼ぐ、という意識の出た部分がどうも全部駄目なようだ。そういう部分を削りまくったらかなり短くなってしまった。尺は稼いではいけないとわかった。尺を稼いでるときは現状維持をはかるので、「現状」をイメージしてしまいそれをなぞりにかかってしまう…

いちおう最後までいったので読み返すが、どうも単調に感じる。あまりにすらすら読めてしまう。この読み易さが自分が書いた、および書いたばかりだからなのかどうか冷静に見極める時間はすでにない。 無意味が露骨に無意味だけを目的にしているようなループ箇…

だめだgoogleノートブック。消えるエラー頻発。これじゃバックアップしながらでも落ち着いて書けない。何かオンラインで軽くて書きやいものをさがさなくては…。 あるいは停電のこともあるしポメラに完全移行しようかとも思ったが、電池のストックがないので…

いろいろと大変なことになっているわけだが小説は書いている。 ところが夕べ、原因不明のエラーが起きて書きかけの小説が丸ごと消えてしまった。しばし呆然。 googleノートブックというweb上のサービスを使って書いているが、そもそもこういう使い方(そこで…

それはインクの切れたペンを持ち替えるようなものだ。切れるまでは書ききる、というところにも意味があるような気がする。

所詮一人の人間が書くものなのだから、言葉の出てくる穴はひとつでいいのだと思う。 と前回書いたことに続けると、ひとつの穴から出てくる言葉だけで小説を書くということは、出てきた言葉をあとから操作しないということだ。二つ以上の穴を自分(水で膨らま…

更新するハードルを下げるために何か書く。 小説は書いている。四月あたりに出る予定の某去年は旧作で参加させてもらった本に最近書き下ろした短編は、おどろくべきことに何度読み返しても自己嫌悪に襲われることがない。何かちょっと開眼したんではというか…

STの応募はいちおう無い方向で。掌編連作というのはやっぱりどうもいまいちよくわからない。超短編というか一千一秒物語みたいなのだったらありうると思うが、そういうのを「小説」として書いている自分を不安にならない自信がない。私はとにかく小説を書く…

Googleノートブックというのを使いはじめてみた。ひとまず書きかけだった夢=外傷系の二作をこれに投入して書き続けてみることにする。なかなかこれは理想的な環境かもしれないという感想。オンラインで非公開でかんたんにがしがし書けていって、推敲は技術…

モチーフの小説は外傷的であり、主題の小説は宿命的であるという言い方もできると思う。すでに挙げた名前以外でいうと、バロウズやカフカは前者でデニス・ジョンソンは後者ではなかろうか。 だがあらゆる作家の名前をこの二分法にあてはめていくことに意味は…

昨日の記事について。ここでいう作品の主題というのはたとえば「人間とは愚かで悲しい存在だ」とか「人生は一瞬の出来事である」とか「○○は○○だ」式にまとめることが可能なような、煮詰めれば言葉の向きがすべてがそこに収斂していくような枠組みのことで、…

過去記事を読み返して気づいたけどこの「枠」というのは「主題」と言い換えてもいいしそのほうがわかりいい。これらの人名のうち左の三者の作品にはあらかじめ「主題」がなく、右の二者にはある。こう書くとまた何か違うような気がしてきたけど一面において…

「夢文学」系の小説のモデルとしてまっさきに意識すべき作家が内田百間、「無職文学」系がボリス・ヴィアンだとして、小説を書く私にとって最重要なほかの作家をこの二つの名前の間にあくまで私の都合にのみ忠実にならべていくと以下のようになると思う。 内…