冒頭の一行が自分で自分を支える、つまりそれ以後は推移していく時間のそこだけは起源のように何もないところに立っている、そのためには、何らかの謎がその一行の中にあり、謎がそれまで存在していない過去のかわりにというか、冒頭にあるまじき不自由さをその一行にもたらしていないといけない。それはいずれ解ける(可能性がある)謎ではだめで、なぜなら解ける謎は未来の側から支えられている。対して、解けない謎というのは存在しない過去にまつわるものだ。