2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

そういう意味ではすでにこの世にある作品のタイトルをパクるんでもいいわけだ。同じ効果がある。遠ざかるためにタイトルを借用して、遠ざかることで逃れられなさの範囲を拡大していくという感じ。そういう線でちょっとタイトルの捉え方を考え直したい。

書くことでそこから遠ざかるための始点として、でもぜったい自分が引力から逃れられないものを象徴的にタイトルにつけるといいような気がした。 タイトルにつけることでどこを書いていてもつねにそれが目に入るし、離れるための目印なのでタイトルやモチーフ…

自分の書いている文章にもつねに死角があって、本当にあったことや本当に考えたことをなぞるような書き方をしても、言葉がそれを囲う塀のようなものである以上、その塀の向こう側は死角として存在している。それは言葉で書かれる以前にはなかったものだ。頭…

ややこしい話であるが、「自分で何を書いてるか分かってる」小説もほんとうは分かってなどいないのである。 だが暗闇に向かって言葉を発しつづけるような無責任さに立つのではないという意味で、何を書いてるのか分かってることにして書くということだ。投げ…

自分でも何を書いてるか分からないものが、書いていて最も自由を感じるのでそういうものが書きたいのだが、小説でそれが成功したことはない。 小説でそれ(自分でも何を書いてるか分からないもの)を書くには、書く意識のゆれとか不安定さにびくともしないよ…

眠いので簡潔に書くが「ひまなバイトの時間ほどいろいろな面白いアイデアが浮かぶ時はない」と思った。 自分の文体や考えることのブレだとか、記憶や感覚の断絶などは短歌というジャンルではある程度許容されるので短歌をやっている、というところが私はある…

書くスピードが考えるスピードを何らかの理由で振り切っているときに書き込まれてしまうものこそが私の書きたいものなのではないか。つまり私は無意識が書きたいのであり、無意識しか書けないのだが、私が確実に小説を完成に近づけるやり方はスピードに背を…

私の頭で考えたことだけが書いてある文章

じっさい作品中のひとつの単語の選択がどの程度作品の価値(というか作品全体の印象のようなもの)に影響を与えているかを、書いた私自身が見きわめるには必ず一定の時間がかかる(数ヶ月間寝かせるとか)のだけど、おそらく数ヶ月後に見返してもそれほど作…

私は本を読むのが苦手なうえに記憶力がものすごく悪いので、頭の中に単純に言葉のストックが足りない。だから小説を書いていてもその文章のその箇所にふさわしい言葉というのが浮かばなくてあちこち空白を残しながら書いている。単語ひとつの選択で価値がゆ…